若いころ、被服の学校に通っていました。
ワンピースやブラウス、子供服等はもちろん、浴衣や袷(あわせ)の着物、名古屋帯なんかも授業で作ったりしたことがあります。
甥や姪の服も作ったりしましたが最近ではミシンを触ろうという気分にもなれません(笑)
こんな私とは違って、ハンドメイドを楽しんでいるかたにお聞きしました。
婦人服をハンドメイドした口コミ!
婦人服を自分で作ってみて思ったことは、既製服はやっぱりすごいな、ということです。
ファスナーがちょっとゆがんだり、ポケットがちょっとななめだったり、袖付けがちょっとぎこちなかったり、そんなことはほぼありません。
自分で作った服はどうしてもかなり厳しい目線で見てしまいますし、どこがうまくいっていないのかよくわかっています。
その部分をいつまでも思いだし、着るたびに「ここをもっとこうすればよかったなあ」とよく思っていました。
(もっとダーツを丁寧に縫えばよかった、もっとウエストをしぼればよかった、ウエストベルトはもっと長く作ればよかった……など)
また、自分で服をつくると、それまで「高すぎる」と感じていた百貨店ブランドの服の値段は妥当だと思えるようになりました。
ユニクロや無印良品など、ファストファッションのお店の値段の異常性、おそろしさもよくわかります。
いったいどうやってあんなに安く売れるんだろう? とよく疑問に感じていました。
あと、百貨店クオリティの生地・シルエットの服を作ろうと思うと、材料費を安く抑えることはほとんど無理です。
ユニクロの服よりちょっと高いくらいの材料費は最低限つぎ込まないと、そういうリッチな感じを出すのはとてもむずかしいと思います。
しかしながら利益度外視でどこまでもこだわれるのが自分のための服作りです。
大好きなブランドのプリント生地(リバティ、ソレイアードなど)で、市販品以上の精度で柄合わせをすると、本当に満足感のある、これまでにない高級感のある服を作ることができたりもします。
そういう自信作は、どれだけときがたっても宝物だし、見るたびに自分のがんばりを思いだすことができます。
婦人服をハンドメイドしたときの失敗例と対処法
自分が初心者のときにやりがちだったのが、作った作品がそもそも外に着ていける服に見えないことです。
悪い意味で宴会芸のコスプレ衣装のようにしか見えない服、もっと言葉を選ばずにいえば、たたんでしまえば服ではない布のかたまりにしか見えない服を作っていました。
生地を選べば、この問題は解消できます。
服地を使えば、とりあえずは服に見えるようになるからです。
そもそも既製服って、たたんでいてもなぜか「服」に見えますよね。
たとえばシーツがたたまれているようには見えないんですよ。
それが服地とそうでない布地の違いです。
服地を使って作品をつくれば、たたんでいてもちゃんと服だとわかる品物が作れます。
それがあまりきれいでないシルエットの服だとしても、自分には似合わない・または変わったデザインであるだけのことで、とりあえずは服に見えます。
「服に見えるかどうか」が、いちばん初めにぶち当たる壁であり、失敗だと思うので、しつこく書きました。
婦人服をハンドメイドする場合の注意点
裁断は丁寧にしましょう。
裁断と印付けが適当でずさんだと、そのあとにどれだけ丁寧に縫っても挽回はたいへんむずかしいです。
逆をいえば、精度の高い裁断をすればキレイな服になる可能性がとても高いということです。
婦人服をハンドメイドする魅力
自分の理想の品物を手に入れられる可能性があること。
たとえばシャツワンピースがほしいとして
「バストはXXcmで着丈はYYcmで、前開きで、ボタンは貝ボタンで、でもわたしはドロップショルダーは似合わないからセットインスリーブがいいのよね」
なんていっているといつまでたっても条件どおりの服は見つかりません。
そういったときに、その「ほしいデザインの服」を自分で作ってしまえば手に入れることができます。
型紙がなければ、市販の型紙をちょっとアレンジすればOKです。
婦人服のハンドメイドの所要時間
ウエストゴムの簡単なスカートなどは1日で制作可能です。
裏地付きのワンピースなど、むずかしい構成の服なら1か月か、場合によってはそれ以上かかるかも……。
ウエディングドレスは、会社員をしながらだと数か月かかりました。
婦人服のハンドメイドの材料費
3000円くらいから制作できますが、上を見れば青天井です。
ウエディングドレスは手袋やヴェールまで入れて、5万円くらいだったと記憶しています。
婦人服のハンドメイドの作り方
基本的には市販の型紙に丁寧に記載されていることが多いです。
サンプランニングシリーズよりは、ちょっと単価は高いけどMPLシリーズのほうがわかりやすくておすすめです。
「ミセスのスタイルブック」はちょっと中級者以上向けです。
婦人服をハンドメイドしても安っぽくならないコツ
服制作に向いた生地(服地)を使うことです。
適切な服地を使えば、洋服には見えます。
あとは型紙にお金をかけること……。
婦人服をハンドメイドするメリット、デメリット
マッチした型紙と服地、それを丁寧に仕立てることさえすれば、プチプライスで百貨店レベルの服が手に入ることがいちばんのメリットです。
わたしはそのメリットに惹かれて服作りをしていました。
デメリットは布の在庫がやたらめったら増えていくことです。
そもそも服地を取り扱っている手芸店は少ないので、心から「これだ!」と思える生地に出会えることはあまりありません。
ですので、そういう生地に出会うとつい買ってしまいます。
制作する手のほうが追いつかず、どんどん在庫の布がたまっていきました。
型紙も同様に、売り切れてしまえば終了のときがあるので、気に入ったものがあれば「あるうちに……」とつい買ってしまいます。
もちろん制作する手のほうが追いつかないので、どんどん型紙の在庫もたまっていきました。
そうこうしているうちに時間がたって体型が変わってしまったり、ライフスタイルが変わって「この服はいらないな……もう作らないな……」と結果的に無駄遣いになってしまったことにがっかりしたり、そもそも流行が変わって恥ずかしくて着られないデザインになってしまったり……
(たとえばペプラムトップス。はやったときにそういう型紙・製図もありましたが、あっという間に流行が終わってしまいました。あれの型紙を積んでいたら、まず結果的無駄遣い・がっかりコースになっていただろうと思います)
まとめ
電車の中とか、何かの講習会場とかあんまり移動しないでその場にとどまるところで、同じ服を着てる人がいると、なんだかショックですよね。
お互いにとっても気まずいです。
色まで同じのユニクロのロングコートを着ていた人に遭遇したことがあります。
あんなに大量に販売されているので、同じものを着ている人がいても不思議ではないのですが、テンションは間違いなく下がりますよね(笑)
その点、ハンドメイドなら、そんな心配は皆無です。
友人、知人に「え~?自分で作ったの?すごい上手じゃん」とか言われて褒められると、お世辞とわかっていても嬉しくてたまりませんね。