贈答品を購入すると「のし、どうされますか?」とか聞かれますよね。
店員さんに聞ける状況のときは、まかせられますがネットで注文する場合は自分で判断しなくてはいけません。
そんな場合でも困らないように調べてみました。
のし紙の表書きは なしでもいいの?
のし紙の表書きにはいろんな言葉が書かれていますよね。
- 御結婚御祝
- 御祝
- 内祝
- 寿
- 祝御出産
- 志
- 新築祝い
- 粗品
など、まだまだいろいろありますが、
贈り主の名前だけを書いたり、表書きも名前も書かない「無地のし」というものもあります。
この「無地のし」は、ちょっとしたお礼や挨拶などの場合の贈り物をするときに使われます。
なので、仲の良い人や、あまり気を遣わせたくない方への贈り物の場合に使いましょう。
贈る相手によっては、お中元やお歳暮にも「無地のし」でも構わないということになります。
特別なイベントの場合に「無地のし」はNG
法事やお祝いなどの特別なイベントの場合は、仲の良い人や気を遣わせたくない方でも、きちんと表書きは書きましょう。
書いてなくても、とがめられたりはしないでしょうが、一般常識がわかっている大人としては、恥ずかしいと判断されることのほうが多いと思います。
のし紙の表書きに上や志と書くのはどんなとき?
のし紙の表書きに「上」と書く場合があるとは知りませんでした。
今は、領収書でも「上様」って書いてはいけないはずなのに(笑)
のし紙の表書きに上と書く場合
「上」は神様や目上の方に対する御礼の際の表書きに用いられる語ですが、通常は「奉献」や「奉納」と書くことの方が多いでしょうね。
のし紙の表書きに志と書く場合
「志」は宗教を問わずに使える、弔事の場合の一般的な表書きです。
地域によって、
仏式は「忌明」や「満中陰志」
神式は「偲び草(偲草)」
キリスト教などでは「記念品」という表書きのところもあります。
一般的なのし紙は黒白、黒銀、黄白の水引を印刷したもので、仏式なら蓮の絵が印刷されていたりします。
地域によって「葬儀のみ」「四十九日まで」など、水引の色や蓮の絵の有無など違いがあるので、葬祭業者より親類の方に確認しておいたほうが良いかと思います。
水引のルール
水引は、のし紙の中央に必ずある紐のことで、結び方や本数にはルールがあります。
結び方
何度もあってほしいご祝儀やお礼などお祝いごとの場合は、何度でも結びなおすことができる「蝶結び」にします。
1回あれば十分な場合や、二度と繰り返したくない事柄の場合は、固く結ばれてほどけない「結切」や「あわじ結」にします。
人生で1回あれば十分なことや、二度と繰り返したくない事柄は弔事が当てはまりますが、お見舞いや婚礼もこれに当てはまります。
何度も入院したくないし、結婚も1回が理想ということです。
本数
基本的には5本です。
陰陽節においても奇数が陽で偶数が陰という考え方なので、縁起の良い数として3本・5本・7本・10本などがありますが、陰陽五行説で「5」という数字が一番縁起が良いと考えられています。
10は偶数ですが、5本×2ということで縁起が良いとされています。
色
慶事の場合は、紅白色の水引を使います。
弔事の場合は、黒白の水引を使うことが基本となっています。
のし紙の下に書く名前はどう書く
水引の上部分に「御結婚御祝」「奉納」「志」などの表書きを書いたら、水引の下部分に名前を書きます。
一人なら真ん中に、夫婦2人の名前を書く場合は夫の名前は右側に、妻の名前は左側に書きます。
連名の場合は、目上の順や、年齢の順に右から長男、真ん中が次男、左が三男の名前になります。
立場が同じ同僚の場合は誕生日順でも良いですが、五十音順で良いかと思います。
3名以上の連名なら1人の名前を書いて、左横に「他〇〇一同」と書きます。
お祝い事の場合は太字で黒で書きましょう。
弔事なら薄墨です。
あわてて駆け付けたから墨をじっくりすってる時間がなかったという理由で真っ黒の墨で書いてないから薄いということです。
今は筆ペンで書く人が多いでしょうから、自分で墨をすってのし紙に名前を書いてくる人はまれだとは思いますけど。
筆ペンがなければサインペン、フェルトペンで書きましょうね、
ボールペンはNGですよ。
内のしと外のしの違い
内のし:贈り物に直接のし紙をかけてから包装すること
外のし:贈り物を包装紙で包んだ上にかけるのしのこと
内のしは包装紙にのし書きが隠れているため、表書きが見えなくなることから、主に内祝いに用いられます。
相手に対して控えめに贈りたい場合や郵送を使う場合に、内のしが使われます。
外のしは、表書きが先様にはっきりと見えるため、どんな目的で贈ったかすぐに伝わるため、結婚・出産祝いなどの場合に適切といえます。
そもそも「のし紙」って?
古来、贈答品には「掛け紙」に贈る理由と贈り主の名前を書き、「水引」でくくって「掛け紙」の右上部分に「熨斗(のし)」を添えて贈っていました。
3つのものをセットにして贈答品にくっつけていたということになります。
そのバラバラだったものを「のし紙」として一緒にしたものが現代では使われているということなんですね。
のし紙の「熨斗(のし)」って?
和紙に黄色い細長いものが包まれていますよね。
この黄色のものは「あわび」
干しあわびを打ち伸ばした「伸し鮑(あわび)」のことを「熨斗(のし)」と言います。
「長く伸びるように」という縁起物として贈答品に添えられていたんですね。
本来「熨斗(のし)」は喜ばしい儀式のときに添えられていいたもの。
なので、弔事の贈答品に使用する掛け紙には「熨斗(のし)」は描かれていませんよね。
ということは、弔事のときに使われる掛け紙は「のし紙」とは言わないのが正しいような気もしますが、「弔事用のし紙」として通じるようになってますね。
まとめ
難しそうで、案外そうでもなかったですね(笑)
包装紙の包み方もお祝いの贈答品の場合と弔事のお返しの場合では違いますが、知っておくとなかなか奥が深いですね。